# Next.jsとVercelの出口はどこにあるのか
趣味でも仕事でもガッツリNext.jsを使っているという方による『Next.js 4年目の知見:SSRはもう古い、VercelにAPIサーバを置くな』という記事を読んで、技術的には色々なことが腹落ちした感があるものの、職業柄というか今働いているところとビジネス的にも近いというかっていう感じで、Vercelが今後どうなっていくのか?っていうのが気になってしまいました。
# VercelのEnterpriseプラン
VercelのPricingページにいくと、2020年11月現在、ProとEnterpriseという形で分かれていて、Qiitaの記事によると『最低でも年間数万ドルと、個人開発者やベンチャー企業が手軽に支払える額ではありません。』とのことでした。
確かに、そんなにお安いものではないかもしれないのですが、例えば年間500万円としたら、それをどう考えるかかな?とオジサン的に考えてしまいます。
例えば、先日VercelによるNEXT.js CONFのキーノート動画を見ていましたが、Commerceを推してるのかな?っていうところと、なんとなくですが、こういうことやろうとするとVercelのエンタープライズがフィットするのかな?なんて思ったりしました。
例えば、某インターネットショッピングモールのように、ユーザー体験が良いとは言えないけど、集客力があるし、広告やポイントキャンペーンで更に、、なんていうところにお店を出すとしたら年間どれくらいの予算を組むか?みたいな話。
もちろん出店や広告費用だけでもかなりの額になると思うけど、自社でエンジニアリングチームを作って開発・保守運用していくってことになったと考えると、それはなんというか物凄い投資になりそうですよね、と。
でも、Shopifyがコロナ禍でメチャメチャ伸びたなんていうニュースがあったように、インターネットでのショッピングって、今や凄く重要なチャネルというか。なのでそこへの投資というか予算っていうのはそれなりになってしかるべきというか。恐らくVercelが狙っているのは、そんなところなのかな?って思うわけです。
『お客様に最高のショッピング体験を!』って考えているところって、例えば、元々銀座四丁目に路面店を出しているようなブランドだったりで、Webのストアフロントも、なんというか路面店と同じくらいの気合い入れるというか。
それくらいになってくると、Webサイトのスピードとかって非常に重要になってくるし、ヘッドレスって言われているようなユーザー体験の自由な作り込みっていうのが外せないものになってくると思うのです。(例えば、売上が100億円のWebサイトだったら、サイトのスピードが上がって1%コンバージョンが伸びたっていうだけでも大きな利益の向上になるわけで…)
独自ドメインとかSEOとかっていうのも、もちろん大切だけど、『お買い物体験』っていうのはそれだけじゃ括れないというか、逆に、同じようなテンプレートのところが多かったりするから、Web上では他を出し抜ける可能性がまだまだあるんじゃないかな?なんて思ったりしています。だからこそのモダンなフロントエンド技術への投資っていうのはエンジニアならしておいた方がいい。
そして、上記を踏まえた場合の年間数万ドル。
Webサイトを運用するは開発だけでなく、様々なオペレーションが必要になるわけですが、そこにかかる人件費だけでもどれだけかかるか?って考えたら、、みたいに思ったり思わなかったりしますね、と。
# VercelのシリーズA
Vercelも慈善事業をやっているわけではないというか、他のStartup企業と同様に凄い金額を調達して、これからビジネスを拡大していこうというのが見て取れるというか。
VercelのシリーズA(はじめての大型な資金調達)は4月に行われたようですが、リードはAccelとCRVということで、なんというかシリコンバレーの典型的な感じというか。
『Like AWS for the frontend』なんていうクォートがガッツリ先頭に出てくる辺り、どういう所を取りに行こうとしてるかっていうのも垣間見えている気がします。
次に50ミリオンドル、その次に100ミリオンドル、みたいな感じで調達していって、人材を採用してマーケティングして営業してカスタマーサクセスして上場まで行こうぜ!っていう出口なのかな、というか、VercelのCareersページを見ていたら、そう思いました。
カスタマーサクセスマネージャー、DevRel、ソリューションアーキテクト、アカウント・エグゼクティブ、、なんていう職種たち。
日本市場を彼らがどう捉えているのか分からないけど、どのポジションで入ったとしても、凄い可能性を秘めた、なんというかエキサイティングな仕事なんじゃないかなぁと思ったりもしますね。
# オープンソースビジネス
Linux OSとか、Hadoopとか、検索エンジンとか、オープンソースな技術を元にして成功して上場まで辿り着いた企業は沢山あるけれど、それでもやっぱりマネタイズって大変なので、SaaSモデルという形で、少額の場合は月額のサブスクリプション、大型の契約の場合は年間コミット、そこでカスタマーサクセスに注力して契約更新、アップセル、先日書いたみたいに紹介とか情報発信とかっていう形でビジネスを拡大させていこうっていうのは皆んながやっていることなのかな?と。
ただ、日本にいると言葉の壁もあって、なかなかそういうのが見えてこないのも事実だったりして。
# とは言え、日本市場はそんなに小さくない
失われた何十年とか言われてても、日本は未だアメリカ、中国に次ぐ大きな市場。なので、そこに投資する体力がある会社は積極的に動いていると思う。Oracle、Amazon、Google、Microsoft、Facebook、、一般的な日本企業と比べて遥かに高い給料で人材を抱えてビジネスをしているところだって日本で赤字を垂れ流し続けているわけではないのは想像できるというか。
# んま、そんなこんなで、、
色々書き散らかしてしまいましたが、Next.js / Vercelの今後は注目というか楽しみですね〜
ついでに、、という形で恐縮ですが、Algoliaのアドベントカレンダーをやってみようと思います! https://qiita.com/advent-calendar/2020/algolia
Algoliaに関連するものであればトピックは問いませんので、是非ご参加お願い致します!
#Algolia のAdvent Calendarを作りました! #AlgoliaJP / 1件のコメント https://t.co/cDKT9bSqBW “Algolia Advent Calendar 2020 - Qiita” (1 user) https://t.co/iDFdSKIemu
— Eiji Shinohara @ アルゴリア 🗾 (@shinodogg) November 10, 2020