# リモートで働く上で住む地域によって給与に差をつけるべきなのか?

先日、FacebookのCEOが社内向けに講演している動画が公開されていたので飛ばし飛ばしでみてみました👇 Facebookのマークザッカーバーグがタウンホール(全社集会)で社員に向けてリモートワークについて語りかけている動画 | ヨシダレッド

👇のビデオがそれなのですが、この中で言及されている、住んでる場所によるComp(=Compensation, お給料)の差はあるべきなのか?ということについて少し考えてみたいなと思いました。

# 業界的には暗黙の了解だったのだと思う

例えば、シリコンバレーでソフトウェアエンジニアを採用しようと思ったら、コンピューターサイエンスの学位を持っている人なら新卒でも2000万円以上みたいな記事とかを見たことがある人がいるかもしれないけど、税金、家賃、物価の高さ、、とか考えたらそんなもんじゃない?的な。

たまにベイエリアに出張で行くと、日本でご飯食べに行って一人1万円以上だったら高級感あるけど、ベイエリアなら普通のお店でも前菜とビールとメインとワインとデザートと、、なんて注文の仕方をしたら、あっという間に2〜3万円になってしまうし、それにプラスしてチップっていう感じで。

2011年頃に日本円が凄く強かった時に、3ヶ月ほどサンフランシスコに住んでたんだけど、その頃にbreakfastブリトーが10ドルくらいだったのが、数年前に出張にいった時に13.5ドルとかになってて、まだ物価上がり続けてるんだって驚いた記憶もあるし。

具体的な金額を聞いたわけじゃないから分からないけど、自分の前職でもそういうのはあったと思うし、今の会社でも金額の交渉をする時に、日本だと業界的にどれくらいか分からない的なことを言われたりもして、最終的には前職の額をお伝えした上で、これより良ければ…なんていう話をしたりして。

# GitLabの The Compensation Calculator

GitLabは未上場のStartup企業だけど、とにかく透明性というか、なんでもかんでも文章にしてオープンに公開していきましょうって会社。

以前データベースの障害があって、それをトリアージしてる様子も動画で公開してるのが話題になりました👇

日本語でのまとめ記事的なのも👇

で、そんなGitLabは基本的に従業員はフルリモートで働いていて、給与計算に関してもThe Compensation Calculatorにガッツリまとまってる。

Goals of the Compensation Calculatorのところに書かれているように、彼らがこれを公開することのゴールは👇こんな感じで、勇気のいるところだと思うけど共感できるというか。

  1. Calculate compensation for 200+ regions all over the world. (世界中200以上の地域にいる人たちの給与計算)
  2. Based on a simple formula.(シンプルな計算式)
  3. People with the same attributes should earn the same.(同じ属性の人は同じお給料)
  4. The adjustment for paying local rates should be the same if you are in the same location.(地域によるレートの調整。同じ地域の人は同じレート)
  5. You should be able to calculate your compensation in case you know or made an assumption about your level and experience.(レベルや経験も考慮に入れた上でのお給料の金額が計算できる。将来的な計画が立てやすいとかってことなのかな?)
  6. That it is as close to a competitive rate as possible given the other constraints.(競争力のあるレートに出来る限り近いこと)
  7. Be able to calculate compensation for most of our offers without involving a compensation specialist.(専門家に依頼しなくてもほとんどのオファーの給与計算ができること)

で、計算の仕方はというと、『The Compensation Calculator Formula』にまとまっていて、

SF benchmark x Location Factor x Level Factor x Compa Ratio x Contract Factor x Exchange Rate

ということなわけですが、SF benchmarkっていうのが他のベイエリアの企業と比較してcompetitiveであることに使われて、Location FactorはSF(サンフランシスコ)が1だとした場合に、ニューヨークだったら0.9とか、0.563とかっていう感じで住んでる地域によって差がついていきます。

多分、日本で物議をかもしたのは👇の日本全国一律0.563っていう値で、『サンフランと比べて半分かよ!』っていうのと、『東京と地方だと結構違わない?』なんていう議論があったりするわけです。

Level, Compa Ratio, Contractあたりは分かりやすいけど、個人的にはExchange Rateまでドキュメントとして公開されてるのは興味深いな、と。

exchange

そして、忘れちゃいけないStock Optionですが、これもわかりやすくて、ポジションによって👇こんな風に決まってる。シニアレベルのエンジニアだと4000株。さすがに行使価格までは公開されてないみたいですが、もし1株数ドルで行使できて、上場後に株価がウン十ドルになったら、、とか考えると夢があるというか。

stock

とまぁ、👇こんな感じでどれくらいもらえるかが日本円でも一目瞭然なので、ぽちぽちやってみても面白いかと思います。

salary

# 引越したら収入が下がることを許容できるか

現状はCOVID-19の影響で家から働くことを推奨していますが、冒頭で紹介したビデオによると、いずれリモートで働くか否かを選択しなければならなくなり(オフィスとWFHと両方のコスト負担は会社としては出来ない)、また、リモートを選択をするにしても、どこに住むのかは会社に申告しなければいけない。

つまり👇のように、コレを機に引っ越ししようとすると、賃金がカットされるよ、と。

日本でも、"出社しないのであれば田舎に住んだ方がイイ"とかって議論をたまに見かけますが、恐らく現状はグローバル企業で働く分には、日本は一律なので(地域による差はない)、それなりにベネフィットはありそうですが、今後どうなっていくかは分からないですし、日本企業においては日本のことをよく知っているわけだから、GitLabのような給与計算システムを自前で構築して、公開はしない形で運用していく(っていうか、実際そうしている会社もある?)ようになったりするのかな?と。

とは言え、引越しそのものにお金もかかるし、地方にマンション買ったら将来的に価値がガッツリ下がったら、、みたいなこともあるのかな、、とか。。

# とは言え‥

リモートで働いている場合、どこに住もうが結果に見合ったその対価を…って考えたくもなるような気もしていて。

この辺は議論が尽きなさそうかな、、とは思いますが、とは言え、しばらくはシリコンバレーが業界をリードしていくのは変わらないのだろうし、『ベイエリアはエンジニアの天下一武道会だ』とか言うのもなんか分かるなぁ、と。

んま、自分の場合は東京からのリモートワークでしばらく頑張っていきたい所存です。

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