# CircleCIのJane KimさんによるSaaStrでの講演が胸に響きました
夕食にオーベルジーヌのカレー(無料だったのでルーもライスも大盛り)を食べ、先日、NHKのドキュメント72時間を録画しておいたものをみた、江東区のパン屋さんのパンをつまみ食いしてしまい、お腹がパンパンになってしまったので、ちょっと長めに走ろうかなと思ってSaaStrのPodcastを聴きながら10km走ってたのですが、2つ目に再生されたCircleCIのJane Kimさんの話がグサっとくるものだったので、紹介させていただきたいと思います。
尚、この講演はYoutubeでも観れて👇このブログはYoutubeで改めて見ながらかいてます。
# 元々Repとして個人目標でやっていたのがマネージャーになってシンドかったこと
自分が担当する案件やパイプラインを消化していた営業担当が、チーム全体をみることになってシンドい思いをするって、誰でも経験するようなことかなと思いますが、まず、彼女の当時の上司が彼女に語ったこと。
『まずは、メンバーが週末何をしてたか聴いてみたらどう?』
これ、なかなか日本では受け入れられないっていうか、英会話教室とかでさえ、プレッシャーに感じる人も多いし、自分もアメリカの人と一緒に仕事をするようになって、ちょっとキョドったのはコレだった。
でも、アイスブレクとして一週間をはじめるのに重宝するツールなんだな、と。
# Janeさんの輝かしい経歴
まぁ👇これだけみたらエリート感あるのかなって思うけど、そんな彼女がmistakeとして紹介している内容は自分にはガッツリ響く内容でした。
# SaaSビジネスのスケールに人のスケールも欠かせない
そんな中でリーダーとしての5つの失敗談。多分、今後も純粋なセールスとして働くことはあまり無いのかもしれないけど、お客さまに近いところで技術職をやるっていうのは今後もやっていきたい分野で、前職で駆け出しのマネージャーやってたことに感じたこととシンパシーというか。そんな講演。
# セールスにおいてはresilienceが重要
レジリエンスって日本語で翻訳するとコンテキストによって意味が違ってきたりするけど、ここでのresilienceは👇の資料を見るとわかりやすい。
- リーダーはNOと言うことが多い(どれだけチームをenable, empowerしても)
- リーダーは孤独だ
- リームが大きくなればなるほど賭け金が大きくなる(取り組むイニシアチブの規模とか重要性って感じかな)
- 意思決定は難しく、失敗する
- Resilienceはあなたを成長させ続ける
もし、resilienceがなければ、回復することや失敗から学ぶことが難しくなり、更に孤独を感じることになる。
リーダーとして、道がクリアになっていない状態、もしくは、成功するかどうか分からないような状態でも意思決定はしなければならないもの。
# Mistake 1: マイクロマネジメント
会場での"raise your hand〜"的な感じの質問だと、結構、この講演の会場の中でもこのMistakeをした人が多い感じ。
JaneさんがSales Repとして結果を出して、マネージャーに昇格したのは、👇のようなことだったから、チームのメンバーにも自分がやってきたことと同じことを求めていた。
- being organized (ロジカルに整然と)
- always being on top of my deals (常に自分が担当する案件をやりくりしていた)
でも、例えばチームの中には、お客さんとの関係を築くことが得意(子どもの誕生日やペットの名前とかを全く嫌味な感じがなくサクっと引き出しちゃう人いますよねぇ)な人もいれば(ってか名刺交換して👇こういうの書き込んだりすることもこれから減って行くんだろうな…)
とは言え、そういう人はノートの内容が微妙だったり、パイプラインを作るのが不安定だったり、案件をクローズできるかによらずいつもfeast or famine(多すぎるか少なすぎるか)な状態だった。
そんなメンバーに対してマネージャーとして押し付けがましいことをしてしまったら、当然ながらマネージャーに対して憤りを感じるし、パフォーマンスも下がっていく。
チームとの『信頼関係』が一番大事。
皆んなが皆んなそれぞれの強みや弱みがあるし、経験も違う。何がその人にとって大事なのかを一緒に考えていく姿勢。
上記のメンバーの強みを活かして、コラボレーションできるようになってから、状況は良くなったし、彼女が提出したSales forcastを見た時に涙が出てきた、と。
# Mistake 2: 誤った人材の採用とその対処
伸びているSaaSビジネスにおいて人材の採用は非常に重要なことだけど、そのポジションにフィットする人だけを採用していくことは困難。Janeさんの場合は20人→40人にメンバーを増やさなければいけなかった。
repとして雇ったメンバーはなかなか上手く立ち上がらず3ヶ月間、毎日2時間クイズを出したり、練習をしたり、とにかく注力したけれど、結局上手くいかなかった。 それにしても、1人のメンバーに1週間で10時間も使ってしまうと、他のチームメンバーはどうなんだ?っていう話になってくる。
採用は一種の賭けのようなところもあるし、その人のパーソナリティでなく、"フィット"するかどうかっていうところも大きい。
そしてリーダーとしては、1個人にフォーカスするのではなくて、チーム全体に対してパフォーマンスを向上させる施策を打つ必要性。そして、全てのメンバーが均等に機会を得られることが大事。
# Mistake 3: チームが自分のことを好きになってくれるように…
Repとして成功した人がマネージャーになった時に、起こりがちな話。
マネージャーがチームがそのマネージャーのことが好きで、メンバーのロイヤリティが高く、メンバーはマネージャーにサポートされていると感じ、どんな意思決定にも事を荒立げない、、みたいな状況があったとしても、結局low-performingなチームではボスがどんなに友好的な人であってもダメ。
- ボスになるってのは簡単な事じゃない
- 皆んなに好かれることがリーダーの仕事じゃない
- 難しい選択をしなければならないこともある
ゴールは、lieability(皆んなから好かれる存在)ではなく、チーム全体の成功。
# Mistake 4: 間違ったアドバイスをしてしまう
大規模で大切なお客さまとのミーティングに、マネージャーの出席を求めたメンバーがいた。すぐさまベルリンに飛んだ、、けどダメだった、よくあるAmerican story。Too harshだったし、ニーズを理解できていなかった。
結論を急いではダメ(これをマネージャーとしてやってしまったこと)で、時にはSlow downさせて深堀りさせることも大事。
そして、自分は正解を知らないということを認めることも大事。
よくメンバーの話を聴いて、キチンと理解してから返事をすること。(まぁ、これは忙しいリーダーの人にはなかなか難しいことだけど、実践出来てる人は見かける)
# Mistake 5: 間違った戦略を追求してしまう
ビジネスが伸びてきた時に、どのマーケットに入っていくか?っていうのは難しい。
例えば、エンタープライズなセグメントにjump inする意思決定をしたときに、ビジネスは急速に伸びていたし、そこにある機会は魅力的にみえていた。でも、皆んな理解しているように、エンタープライズに物を売るということはSMBに売ることとは大きく異なる。
セールスプロセスは複雑だし、エンタープライズセールスチームのHiringは大きな投資になる。
Janeさんは採用してexperiencedなエンタープライズセールスチームを作ったけれども、、結局はエンタープライズ企業の方がCircleCIをまだ使いこなせる状態になかった、と。それを導入するためには、技術的にも組織的にも返さなければならない負債が多過ぎた。
その結果、エンタープライズセールスチームは誰も目標を達成できない、という事態に。
"Hindsight is always 20/20"って何?って思ってググったら、メガネとかで矯正しなくてもOKなレベルってことで、後から振り返ればそんなことは分かるんだけど、みたいな文脈っぽい。
セールスリーダーは時にGoldilocks of〜って何なん?って思ってコレもググったら、経済用語っぽくて、too hotでもtoo coldでもなくjust rightな状態ってことみたい。だけど、それだけではなくてリーダーとしてresilientで、ビジネスをback on trackにしなきゃいけない。その時にある情報で最善を尽くす。自分自身、そして、チームとの信頼関係が必要。そして、もし間違いをおかしたとしても、そこから学んで正しい方向へ。
Janeさんの場合はMid-marketにフォーカスすることを決めて、7−figure deals(7桁USドルなので億単位の契約)をいくつもクローズすることが出来た。とは言え、この意思決定はとても難しかったし、repの中には上手く適合出来る人もいたけでも、そうではない人も多かった。とにかく大変だったけど、ビジネスを軌道に乗った状態に戻すことにとにかくフォーカス。
# まとめ
自分を疑うところから。でも、resilientで。resilientであれば、チャレンジと向き合える。
そして、ここからが驚きで、JaneさんはCircleCIに入社してから2年半でコレをやってきた、と。
2.5年前は7人のチームが1つのオフィスで働いてて、セールスプロセスもキッチリしてなかった。
今は(2019年11月時点)、チームは7倍以上で50+人になって、レベニューは4倍増えて、東京でも採用してる。30K以上のカスタマーっていうのも凄いですね。
いやー、しかし、もの凄くイイ話だったな、と思うと同時に、自分もrevenue orgの中の1メンバーとして焦りを感じる部分もありますです。