# 『俺は毎年日本に行ってたんだよ』って言ってたTim BrayがAmazonを辞めていた…

昨日の夜にTim Brayによる衝撃的な内容のブログをみかけて読みました。彼とはちょっとだけ仕事で絡みがあったし、彼がAmazonに入る前からフォローしてたのもあって、個人的な思い出話も絡めて内容をざっくりご紹介したいと思います。

Hacker Newsでも『Bye, Amazon』が話題になってる。

# Tim Bray

若者には馴染みの無いものかもしれないけど、Tim BrayはXMLの共同開発者でソレ系の分野ではかなり知られた存在でした。 自分はAWSで働いていた時に、Amazon Simple Workflowというサービスの日本での担当みたいな感じだった(というか、日本で大規模に使ってるお客様は2〜3社しかなくて、自分がそれらの会社の担当だったっていうだけな流れ…w)のだけど、そのチームはカナダのバンクーバーにあって、(今は凄い大きな組織なのだと思いますが…)こじんまりしつつ、シアトルの人たちともベイエリアの人たちともまたちょっと違ったイイ感じの雰囲気で、出張にいった時もあたたかく迎えてくれた。

そのチームでAWS Step Functionsを開発する感じになって、そこで、"あのXMLの"Tim Brayが、Amazon States Languageっていう、Step Functionsのワークフローを"JSON"を使って宣言的に記述できる仕掛けをバンクーバーで作ったぞってことで、なんとなく個人的にほんわかしていた。

TimはバンクーバーLoveな人で、以前彼がGoogleを退職した際もその事について書いてて👉Leaving Google まさかその後に彼がAWSにジョインするなんて驚いたもんです。

彼とは何社かre:Inventというラスベガスで開催するAWSのカンファレンスでお客さんミーティングに一緒に参加したけど、まぁ、なんというか何も包み隠さず誠実なっていうか、ちょっとは日本からわざわざ来たお客さんにリップサービス的なことすらねーのかよ!w とか、そもそもお客さんの前でそのテンガロンハットみたいの被ってんじゃねーしw って感じもしたけど、カジュアルな雰囲気だけど、技術的には思いっきり深いところをサラっと言う感じの、自分的にはこんな風に年取っていきたいなって感じで。

# そんなオジサンがAmazonを辞めた理由

冒頭にデーンと結論が書いてあるのですが(っていうか、VPだったんだっていう)

May 1st was my last day as a VP and Distinguished Engineer at Amazon Web Services, after five years and five months of rewarding fun. I quit in dismay at Amazon firing whistleblowers who were making noise about warehouse employees frightened of Covid-19.

ざっくり訳すと、『Covid-19の件で倉庫の従業員が怯えていると騒ぎ立てた密告者をAmazonが解雇したことにガッカリした』から、と。

What with big-tech salaries and share vestings, this will probably cost me over a million (pre-tax) dollars, not to mention the best job I’ve ever had, working with awfully good people. So I’m pretty blue.

VPレベルになると凄いんですね、、と。。そして今は『とてもブルーな気持ち』と。

# What happened

Amazon Employees for Climate Justice(AECJ)という組合のようなものを昨年Amazonの従業員が編成して(Timはそこに署名したうちの一人だったそうです)、今回Covid-19の件で、倉庫の従業員がその組合を頼り、アクティビストを招いてオンラインの講演会をやったりしたそうなのですが、それを受けてAECJの人が解雇された、と… (なんというか、Amazon的には倉庫では適切な対応を取っているって言ってるけど、倉庫で働いてる人たちとは認識の違いがあったっていうことなのかな、、) で、会社としては、解雇とかじゃなくて向き合うことができただろうに、、みたいな主張?

# Snap!

(いろいろあったみたいですが、VPという立場は難しくて、あくまでも会社の側にいなければいけないのが辛い的な感じですかね、、)

# What about the warehouses?

(この辺も、自分はアメリカのAmazonの倉庫の話とかはあまり知らないのでアレですが、、 ただ、日本で配送センターの見学にいった時は、とにかく働いている人の安全と効率化を追求しているように自分の目には見えましたが、、)

# Poison

(これもどっちの意見も聞いてみないと、、なところですが、密告者的な人が解雇されてしまう現実っていうは少なからずあるのかもしれませんね。。)

# What about AWS?

元AWSで働いてた人間として、個人的にはココ。

Amazon Web Services (the “Cloud Computing” arm of the company), where I worked, is a different story. It treats its workers humanely, strives for work/life balance, struggles to move the diversity needle (and mostly fails, but so does everyone else), and is by and large an ethical organization. I genuinely admire its leadership.

アマゾン・ウェブ・サービスは違う話(different story)。従業員を人道的にあつかい、ワークライフバランスの実現に努力し、ダイバーシティの実現に奮闘している(他と同様になかなかうまく行かないことも多いけど)し、概していうと、倫理的な組織です。リーダーシップを称賛しています。

👉自分も同じ印象で、特にマネージャーになってからは、手厚い組織だな〜と感じていました。

Of course, its workers have power. The average pay is very high, and anyone who’s unhappy can walk across the street and get another job paying the same or better.

もちろん従業員は力を持っていて、給料も高いし、もし待遇に不満なら向かいの通りにある企業に転職すれば同じ額かそれ以上の待遇を与えられるでしょう。

👉AWSで学べることは本当に多いと思うし、外からみても、あの組織はやっぱりスゲェよなぁと思います。

# Spot a pattern?

(やっぱり日本とは事情が違って、極端な資本主義というか、国民皆保険じゃないとか、色々社会的な問題がはらんでいそうですね、、)

# What’s next?

For me? I don’t know, genuinely haven’t taken time to think about it. I’m sad, but I’m breathing more freely.

次を考える時間もなかったし、今は悲しいけど、自由に息をしているよ、と。

そして後から👇のようなリクルーターへのメッセージがあったりしてますね。

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