# 『Vue.js: The Documentary』をYoutubeで観ました
# YoutubeのVue.js: The Documentary
2020年の2月に公開されたドキュメンタリービデオで、2020年4月7日現在37万ビューくらい。昨日書いたGraphQLのドキュメンタリーと同じところが出しているコンテンツですが、そちらよりも早い勢いで広まっていそうな感じです。こちらも35分程度のコンテンツなのでEvan Youさんの聞き取り易い英語を是非。中国で如何に彼がロックスターな感じなのかもよく分かります。
# Vue.jsをはじめる前の振り返り
Evanさんは大学院(デザイン、コード、そしてメディアアートを学べるMFA:Master of Fine Artsなプログラム)を卒業してからGoogleに新卒社員としてjoin。
学生の頃は、JavaScriptを使ってChromeの実験的なことをしていたとのことですが、その時にClearっていうToDoアプリをHTML5を使って置き換えるみたいなプロジェクトをやったりしてたそうです。"スワイプして完了にする"といったジェスチャー。Hackernewsで取り上げられたり。
そんなこんなでGoogleのリクルーターに声をかけられて。"Google Create Lab 5どうだ?"って言われて"Hell yeah, why not!"と。ニューヨーク勤務ってことで引っ越さなくてよかったのもポイント、と。
っていうか、Googleは2年間新卒の人を集めて実験的なプロジェクトをするみたいなプログラムがあるのですね〜(ちなみにキャップはY-3)。
その頃にいろいろBackboneとかAngularとか触ってたけど、なかなか自分がやりたいことにフィットしなかったんだそうです。そんな中で自分でフレームワーク作り始めようっていうのが最初。
DomとJSのオブジェクトを同期だけするシンプルなものからはじめてフレームワークへ。最初はSeed.jsっていう名前で2013年の6月にはじめた、と。
でも、すでにSeedはnpmで取られてたので、、ってどうしよっかなーってところで、Viewを扱うフレームワークだけどViewだとちょっと文字通り過ぎるので、、ってことでフランス語だと"Vue"で3文字でカッコいいし、コレでイイじゃん!と。npmでも取られてないし。
# 元々は自分の為に作ってた
GoogleのLabにいたけどVue.jsは個人的なプロジェクトとして進めていた。確か数百くらいのGitHubスターくらい。別にサステナブルなプロジェクトとしてはじめたわけでもなくて、それでお金を稼ごうと思ってたわけでもない。まぁ捌け口みたいなもんだったのかなぁくらいな。趣味で音楽やってる人がそれを公開する的な。
とは言え、実際にリアルワールドで使われるものを世に出したかった、と。(Labで働くとなるとなかなかそういうものは作れない)。そしてMeteor(オープンソースのWeb開発プラットフォーム)に転職。Vue.jsを自分の子どもとして育てながら。その頃はGitHubで草生やしまくってたぜ、と。
# LaravelとVue.js
そんなこんなで順調にユーザーが伸びていって、LaravelのTaylarさんがReact難しいけど、Vue.jsは簡単だってTweetしたことがきっかけで、沢山のLaravelユーザーをそのコミュニティの中で獲得していった、と。
そしてLaravelの収入源であるLarvel SparkにVue.jsを採用。
Laravelのカンファレンスに登壇するEvanさん。
# Vue.jsで食っていく
とても大きいLaravelやTaylerをみていて、自分もonto something(イケるんじゃないか?的な)
まだ0.xで安定してないし、一人でメンテしてるプロダクトなんてねーって言われてたところを、2015年のバケーションの3週間を使って開発してドキュメント書いて1.0まで持ってったぜ、と。
# Vue.js core team
まだ実質的なコアチームは存在していなかった1.0をリリースした後くらいの頃に、Thorstenさんはフォーラムでアクティブに活動してたそうです。そして、EvanさんからSlackのInviteがきた、と。全然知り合いじゃないし、Vueにpull requestとかissueとかあげてたわけじゃなかったけど。
フレームワークってのはコードとドキュメントだけじゃない。コミュニティやツールやサポートなど、やらなきゃいけないことは多い。そんな中でコアチームに入った。
EvanさんはMeteorでは1開発者であって、強力に何かをドライブしているような立場ではなく、そういったところからもVue.jsでやっていこうってなっていった、と。Vue.jsは凄い勢いで利用者が増えていた。
コロラド州デンバー在住のScott Tlinskiさんによるチュートリアル。Angularがバージョン2になったらショッキングな程バージョン1とは変わってしまって。そんな頃にReactが出てきてっていう流れの中で、やっぱりシンプルでエントリーのバリアが低いヤツがいいよね、と。そこでVue.jsですよ的な状況だった。
EvanさんはVue.js一本でやっていくためにPatreonのアカウントを作って、それによって月に2000ドル(日本円で22万円くらい)得られるようになったそうですが、
友達のStrikinglyという会社(Y-Combinator出身)のCTOであるDafengさんがオープンソースプロジェクトを支援するためのファンドを形成していたそうで、そこで"大丈夫だ"って革新をもってVue.js一本でいくことにした、と。
NetflixのUXチームのSarahさんが書いた記事は最終的に5つのシリーズ物になり、その後もVue.jsの記事を書き続けた、と。そんな中でEvanさん達から声をかけられて"cookbook"っていうプロジェクトをリードすることになり、コアチーム入り。
# Working from Home
Evanさんは家から働いていて、イイ感じとのことですが、Tom Daleみたいに着飾らなくてイイしね、と。笑
# 中国語のドキュメントと中国展開
どんなに良いフレームワークであっても母国語のドキュメントがあるか無いかで全然違う。そしてネイティブな中国語と翻訳された中国語ではやっぱり違う。例えばバインディングとかリファレンスとかビューモデルとかどう訳すのがナチュラルなのか?と(コレは分かるわぁ〜)。Evanさんは中国語ネイティブで英語のドキュメントも彼自身が書いたものなので中国語もバッチリいけた、と。
上海で開催されたカンファレンスで中国語で講演をするEvanさん。
Evanさんのサインを求めて殺到する人たち。(自分もサイン欲しくなってくる。笑)
Alibabaの開発者でVue.jsのコアチームメンバーのJinjiangさんは、中国人でグローバルなTech Communityで著名なEvanさんのような人は多くないから、Heroみたいな存在だよ、と。
後ろは有名な開発者のサインなのかな??
BaiduのGuさんも同じように語る。
LaravelのTaylerさんもEvanさんの中国への入り込み方は見事だ、と。
中国では携帯通信が複雑であまり安定してないので、小さくてネットワーク帯域に影響しないコンポーネントが必要だった、と。
Alibabaで行った小規模なTech Talk。開発者っぽいイイ感じの雰囲気出てますね〜。女性がいないのが残念ですが。
BaiduでもGoogle AdwordsみたいなサービスでVue.js使ってるぜ、と。
中国でのVue.jsのエコシステムやコミュニティについて語る開発者。
# Vue.jsのやり方
企業によってリードされているわけではないオープンソースプロジェクトは、Source of Truthがココにあること。開発者ではなく参加してる人たちによってドライブされる。
cohesiveなEvanさんの存在。AngularやReactは企業によってリードされているけど、Vue.jsはEvanさんがリードしているプロジェクト。
そして、自分はこの部分が一番好きなんだけど、Evanさんが何でVue.jsやってるか?って語るところ。カンファレンスの後のパーティーとかで、握手しながら"こんないいプロダクト作ってくれたありがとう!"とか、"Vue.jsのおかげで開発がこんなに楽になった!"とかっていうフィードバックをもらえた時に"あー、これが俺がVue.js作った目的だ!"って感じる、と。最高じゃん。
日本でもVue.jsコミュニティの運営を頑張ってる人たちがいるし、台風でカンファレンスが中止になったりっていうのもみてきてるので、何かご協力できることがあったりすれば、、なんて思ったりする今日この頃だったりします。 んま、まずはフロントエンド開発を勉強するところからだな〜 😃
技術評論社 (2018-09-22)
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